なぜ、いらないものを欲しがるのか? その2

コラム
前回のつづき 

 
欲しかった書斎を使わなくなってしまう。 
その理由には、こんなものまであるんです。 
 
書斎がなくても理想を実現できた。 
たとえば、本を読むのが趣味のご主人がいたとします。 
静かな環境でゆっくり本を読みたいから、書斎が欲しいと熱望していました。 
休日は子どもたちと遊んだりと読書どころではないので、本を読むのは決まって平日の夜。 
会社から帰るのが遅く、あんまり読書の時間がとれないのが悩みですが、 
書斎は理想通り完成し、願っていたとても静かな空間が手に入りました。 
めでたし。めでたし。 
 
となればいいのですが、平日の夜に静かな環境を望んでいるのであれば、 
子どもが寝てしまった後は、わざわざ書斎に行かなくても、家の中どこも静かになってしまうんですね。 
それであれば、リビングの一角にお気に入りの椅子を用意して、読書を楽しむこともできますし、 
なにより書斎にこもるよりも、夫婦のコミュニケーションが円滑にとれます。 
 
奥さん視点からみると、遅く帰ってきてすぐに書斎に入られると、あんまりいい気持ちはしないですよね。 
 
 
もし、書斎をつくらなかったら・・・と考えると、 
奥さんのウォークインクロゼットをその分大きくできたり、 
子ども部屋にお片づけトレーニングがしっかりできる、大きめの収納スペースを用意できたり、 
廊下を広くとって、家族の共有スペースにしたり、 
「元書斎、現物置」よりも、ずっといい空間利用ができたかもしれませんよね。 
 
念のためですが、 
書斎を批判しているわけではありませんよ。 
実際にお気に入りの書斎で満喫した時間を過ごされている方も大勢いらっしゃいます。 
要は、その人に書斎が必要なのか、どうなのか?という問題です。 
 
 
これは書斎を作るときだけ気をつければいい!ということではありません。 
家のなかのもの、全てに対して言えることです。 
 
やはり、モノから発想するのではなく、暮らしから発想することが大事なんですね。 
でも、この暮らしから発想するのって、なかなか難しいのが現状です。 
 
次回は、どう考えれば暮らしから発想できるのか?という、ちょっとしたコツをお伝えします。

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